10月中旬群馬の友人から大きめの菓子箱が届いた。包装の仕方で中身は菓子ではないと思
いつつ開けてみると柿がぎっしり詰められている。取り出すと小枝についたままの柿が
2~3個ずつ連なって出てきた。何とも素朴で可愛らしい。庭になっている柿を竹竿でたた
いて落としてすぐ箱に入れて送ってくれたようだ。手に取って眺めていると飾らない友人
の心情が伝わってきた。
翌日今度は息子が義母からと言って大きくて艶のある立派な柿を届けてくれた。とても美
味しそうなので思わず直ぐに皮を剝いて主人と頂いた。柿なのにジューシーでこんな柿は
初めてと思うほどの美味しさだった。
秋が進み紅葉だよりが彼方此方から聞かれるようになった11月初め、他県に住む長男から
青森県産のリンゴが届いた。箱の下段は黄色の (シナノゴールド) だろうか。上段はむ
らなくきれいな赤の(ふじ)がびっしり並んでいる。わたしはリンゴが大好きなのでとても
嬉しかった。側に住む次男と半分ずつ分けあった。
わたしたちは今、茨城県に住む次男に世話になりながら老後を穏やかなに過ごしている。
以前10年ほど長男一家と青森県に住んでいたのでりんごは毎日食べていた。
5月になると岩木山のふもと一面に白い可憐なリンゴの花が咲き、秋にはたわわに実った
真っ赤なリンゴが麓を飾る。そんな景色を思い浮かべながら甘酸っぱいリンゴの味を噛み
しめている。
晩秋から初冬に変わろうとする11月末日30年来の友人から洋梨 (ル レクチェ)が送
られてきた。ふたを開けると甘い芳醇な香りとともに表面が少し凹凸している黄色の洋ナ
シが並んでいる。黄色から山吹色になったら食べ頃と添え書きがあったので数日待ってか
らいただいた.口にした時の瑞々しく上品な甘さとなめらかな舌触りは他の果物にはない
やさしい味わいだった。
晩秋は朝晩冷えて秋高く平野はまだ紅葉も美しい。時に冷たい風に木の葉がはらはらと舞
うちょっぴり物悲しい風景が私は好きだ。
昼下がり頂いた果物を食べながらゆったりと過ごす。みんな瑞々しくとても美味しい。贈
ってくださった方々の温かい心が身に沁み感謝の気持ちを新たにしている。
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